2012年3月26日 インプラントの光機能化
先日、UCLA終身教授の小川隆広先生の光機能化インプラントのセミナーを受講してきました。
現在主流となっている純チタンのインプラントは、スエーデンのブローネマルク博士が1965年から臨床応用を開始しました。それから、各種インプラントメーカーが研究を続け、今日の非常に高い成功率を誇るインプラントが開発されました。現在の成功率は、各種論文にもよりますが、90%~98%と言われています。ただ、この10年インプラントの性能は、メーカーの研究開発にも関わらず頭打ちの状態になっていました。
小川先生は、インプラント表面を紫外線領域の特定の波長を持つ複数の光線で、決められた強度で、ある一定時間インプラント表面を処理することによって、骨結合能力を飛躍的に増加させる事に成功しました。これは、インプラント医療の歴史に残る素晴らしい発見になると思われます。
光機能化によりインプラントは、短期間で骨と結合し、臨床成績の飛躍的な向上が期待されます。
今、最も注目すべき技術になりそうです。
図のようにインプラント表面が撥水性から親水性に変化します。
それ以外にも、インプラント表面のカーボンを除去するとともに、正の電荷に変化させて、骨の細胞の付着 増殖を促進します。これによって、インプラントと骨の接触率が飛躍的に向上し、骨接触率は、ほぼ100%の状態を達成することができました。
この骨形成の現象は、スーパーオッセオインテグレーションと呼ばれ、数々の有名な科学雑誌にも掲載されています。
日本発でこのような素晴らしい技術が開発された事は、本当に嬉しいことです。
詳しくは、こちらをどうぞ http://hikarikinou.officialwebsite.jp/